365日+1日嬉しくなっちゃう言葉たち。短編集!
「 もう!!!
この階段ありえないって! 」
「 ほらっ。
手かしてやるからガンバれよ。
それにしても
4月にきたときもさ
なんかエレベーターにしろ!とか
エスカレーターにしろ!とか言ってたよな。 」
「 ちがいますぅ!
リフトにしろ!と言ったんです。
もう疲れちゃったよ。
このさぁ
腰がヤバいんだよねぇ…。 」
「 上のお茶やさんで休憩しようね、布羽! 」
ボクは布羽の背中にまわり、
後ろからゆっくり背中を押していった。
「 仕方ないなぁ
茅人が休憩したいならいいけどさ。
私は別に休憩しなくてもいいんだけど…
茅人が言うなら一緒に休憩してあげる。 」
「 布羽さま、お願いします。 」
ボクは
この女の子と出会った瞬間に恋に落ちた。
サラサラの黒髪が
ボクの顔にぶつかった。
この女の子がラッシュの車内で
友達を見つけて顔を動かしたから
「 ごめんなさい。 」
顔はしっかり見えなかったけど声も好みだった。
「 大丈夫です。 」
そう伝えた
その言葉を聞いて少し微笑んだように感じた
女の子は長い髪を左側にまとめて肩から前にたらした。
うちの制服だった。
だから同じ学校なんだと嬉しかった。
今日から楽しみが増えた。
駅に降りた背中を見ていた。
これから後ろ姿を見ていられるんだと
心があったかくなった。
この女の子に会えることは…。