365日+1日嬉しくなっちゃう言葉たち。短編集!
「 今夜は三日月がキレイだね。 」


部活の帰り道
独り言のようにつぶやいた。


「 お前と見てもロマンチックではないけどなぁ。 」


私の横を歩く
サッカー部のキャプテン月虎だった。


「 あの…
私、一応あなたの彼女だったような記憶があるのですが…
それって、間違いかな? 」


「 そうでした、そうでした。
オレの大好きな紅亜ちゃんと見る月はキレイだね。
あっ、
紅亜のがキレイだよ。
とか言っちゃうんだよな? 」


サッカー部のキャプテンで、
かなりモテまくりの月虎に告白されて
マネージャーの立場上それっていいのか?と考えたりもしたけど…

でも私も月虎のこと気になっていたしね。
だから付き合いだしたの。

あの頃は好きって気持ちはなかった。
でも今は大好き。
よくわからないけど月虎が大好きなんだよね。


「 なぁ、紅亜。
オレ紅亜のことすごく好きだけど、
紅亜よりもサッカーがいい。
だからもっとサッカーを頑張りたい。
だから…
紅亜、少し距離を置いてもいいかな? 」


月虎のマジメな顔。
サッカーしてる時と同じくらいマジメな顔。

こんなにマジメに私に伝えてくるのだから、
月虎は真剣なんだね。


「 わかった。
仕方ないね。 」


私は先に歩き出した。


「 それにしても三日月がキレイだね。 」


涙がバレないように空を見ていた。
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