365日+1日嬉しくなっちゃう言葉たち。短編集!
視聴覚室の片付けをして
学校を出た時には
外は暗くなっていた。


「 ごめん、
ボクが時間かかる映画にしたから…。 」


「 気にしないで。
すごく素敵なラブストーリーだったから、
感動しちゃった!
ありがとう。 」


駅まで一緒に歩くのは慣れてきたから照れなくなったけど、
今庄くんと私の距離40㎝はあるね。
二人のバッグが体の間にあるもん。


この距離を縮めたい。
私はバッグを左手に持ちかえた。


「 今庄くん、
私ね、最近好きになっちゃった人がいるんです。
その人と手を繋ぎたいんです…けど、
私のこと好きかわからないの…
でも、触れたいんです。
どうしたらいいかな? 」


今庄くんは少し悲しい顔をした…けど…


「 ボクなら、
好きです。って言われてから手を繋ぎたいかな? 」


寂しそうな声にまでなっている。

私の少し前を歩き出した。


「 あの…
今庄くん…
私、晴冬くんが大好きです。
手を繋いでくれますか? 」


今庄くんの振り向いた顔はビックリしているけど、
優しい笑顔になっていた。


今庄くんは
自分の左手を私の前に出して
私の右手を待っていてくれた。




end
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