365日+1日嬉しくなっちゃう言葉たち。短編集!
2人きりでの初めての残業。
もうこわくてドキドキしていたの。
名前呼ばれただけでビクッとしてしまって
コーヒーカップ落として割ってしまったの。


朝陽さんが割れてしまったカップを拾ってくれて


「 オレ、そんなにこわい?
頼むから
そんなにおびえないでくれ…。 」


今まで聞いたことない消えそうな声でつぶやいた。

いつも自信たっぷりでキレイに響く声の朝陽さんが、ただただかわいくみえた。

でも、
私は割ってしまったカップを見つめながら


「 ごめんなさい…。 」


としか言えないでいた。


こんな一面をみてから
こわかっただけの上司朝陽さんと
いつからか優しさにいっぱい触れて
付き合いだしたんだよね。

なんだか思い出しちゃった。



朝陽さんが転勤してから
私は朝陽さんのマンションで独り暮らしをしている。

朝陽さんの大切なモノたちと一緒にいると
なんだか守られているってきがしてきて
毎日安心して夢の中へと。


でもね、
それでも寂しくなると
朝陽さんのベッドで泣きながら眠ることもある。



明日は日曜日
休みは寂しさ倍増する。

朝陽さんのベッド。
朝陽さんの大好きなシャツ。

ちゃんと明日洗濯するから、
今夜は許してね。
心でつぶやき夢の中へ。



朝陽さんに包まれている夢を見ながら


「 柚菜、
寂しい思いさせてごめんな。 」


耳もとで言われたような…。


さっきよりも寂しくないのは、
なんでだろう?


柚菜は
また夢の中へと。


朝起きて心臓止まるようなことがあると知らない私は、
あたたかさに包まれていた。





end
< 52 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop