365日+1日嬉しくなっちゃう言葉たち。短編集!
良々を見送ったあと
少し…いい感じに夜風が吹いていた。

ちょっとあるけど
一駅歩いちゃおうかな。

誰かと歩いたら
すぐの距離なんだけど…
一人だと
けっこうあるんだねって後悔しだした時に
さっきの隣にいた男子をみかけた。


「 あれ?
カラオケ行かなかったんですか? 」


「 はい!
えっと…行かなかったんですね。 」


なんともギコチナイ会話が始まった。

帰る方向も聞かずに
二人は自分たちの方向に歩いてる。
同じ方向?


「「 あの…。 」」


二人同時に口にした言葉は同じだった。


「 じゃぁオレから…
名前聞いていい? 」


「 私も同じことでした。
白詰流々奈です。 」


「 白詰さん、
オレは
小判飛郷です。 」


名前を知ってから
二人は特別な会話をするわけではなく歩いていた。


信号が赤になっていた。
私は気がつかないで一歩前に出てしまった。
私の右腕をおもいっきり引っ張られて、
自分の意思とは関係なく
小判さんの腕の中。


すごい勢いで走ってくるバイク音を腕の中で聞いていた。


「 あぶなかったぁ…。 」


その言葉と腕の中

私の中の何かが動き出しちゃだみたい…です。


私…
どうなるの…
かな?


なんだか心地よい腕の中で幸せになってしまった。





end

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