シンデレラ

~杏樹Said~



「ん・・・。今、なん、時、だろ?」



あたしはいつの間にか図書館の憩いの場所で寝ていた。



「もう、4時半回ってる・・・帰らないと。」



気が付けば、4時間くらいココで寝ていた。



あれ?誰だろう?



よく見ると、目の前で寝ている人がいる。



この人もうすぐ図書館閉まるのに、寝てて大丈夫なのかな?



この図書館は、冬や春は5時、夏など明るい時期は6時で閉館する。



この制服・・・榊原総合学園だ。この人頭良いんだ。



顔を覗き込むと・・・、ん?え、男?




「・・・ん。」



わぁぁぁぁぁぁぁ、起きちゃう!!




あたしはとっさに鞄を持って隅に隠れてる階段へ逃げてしまった。




あー、びっくりした。




起きたかな?起きなくて、閉じ込められたりしないかな?



きっと起きたよね?今さら戻るのやだし・・・



結局、あたしはそのまま帰った。





それが彼との出会いなんて知らずに



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