シンデレラ

~雅人Said~



気が付けば窓から見える空は、真っ赤だった。


時刻は、4時50分。


さっきの女の子の姿はいない・・・



俺のこと、起こしてくれなかったのかと思うと、少しショックかも。



しぶしぶそう思いながら、帰宅。



家に着けば、珍しく家に人がいた。



「あーら、今日学校初日なのに遅かったね?」



「・・・んでいんだよ。」



ソファーにもたれながら、雑誌を見ている姉貴がいた。




名前は、溝端 美咲。大学2年で、モデル活動もやっている。



結構、人気らしいよ?この悪魔が・・・



「誰が、悪魔よ?」


は?俺の心読んだぞ、コイツ。



「読んでないわよ。」



いや、今の時点でおもいっきり読んだな。



「ところでお母様たちは今どこに?」



「さーな。ヨーロッパぐるぐるしてるんじゃね?」



俺の両親は、溝端財閥の社長と副社長。



夫婦そろって、ずっとあちこちに海外出張。



だから、時々帰ってくるこの姉貴が俺の保護者がわり。



帰ってくるとしたら、パしりに使われるくらいだろうけど…



ってことで、パしられる前に自分の部屋に帰ろうとした


・・・その時!


「ねぇ、今日入学式もやったんでしょう?かわいい子いた?」



「知るかよ。」



「お姉様に逆らう気?」


おい、姉貴。顔が笑ってないぞ・・・


「俺にそんな暇でもあると?」


「んー、ないか。あんた女子に囲まれてるらしいもんね。その子たちの相手もしなきゃいけないし。」




「別に、相手にしてねーよ。」



「ま、かわいい子いたら教えてね」




「んな…教える・・・」



一瞬、頭の中で図書館の子を思い出した。



「何?やっぱりかわいい子でもいたの?」



「いや、いねーよ」



ちゃんと顔見れてないしな。



そして俺は自分の部屋へ行った。







< 13 / 54 >

この作品をシェア

pagetop