シンデレラ
~雅人Said~
気が付けば窓から見える空は、真っ赤だった。
時刻は、4時50分。
さっきの女の子の姿はいない・・・
俺のこと、起こしてくれなかったのかと思うと、少しショックかも。
しぶしぶそう思いながら、帰宅。
家に着けば、珍しく家に人がいた。
「あーら、今日学校初日なのに遅かったね?」
「・・・んでいんだよ。」
ソファーにもたれながら、雑誌を見ている姉貴がいた。
名前は、溝端 美咲。大学2年で、モデル活動もやっている。
結構、人気らしいよ?この悪魔が・・・
「誰が、悪魔よ?」
は?俺の心読んだぞ、コイツ。
「読んでないわよ。」
いや、今の時点でおもいっきり読んだな。
「ところでお母様たちは今どこに?」
「さーな。ヨーロッパぐるぐるしてるんじゃね?」
俺の両親は、溝端財閥の社長と副社長。
夫婦そろって、ずっとあちこちに海外出張。
だから、時々帰ってくるこの姉貴が俺の保護者がわり。
帰ってくるとしたら、パしりに使われるくらいだろうけど…
ってことで、パしられる前に自分の部屋に帰ろうとした
・・・その時!
「ねぇ、今日入学式もやったんでしょう?かわいい子いた?」
「知るかよ。」
「お姉様に逆らう気?」
おい、姉貴。顔が笑ってないぞ・・・
「俺にそんな暇でもあると?」
「んー、ないか。あんた女子に囲まれてるらしいもんね。その子たちの相手もしなきゃいけないし。」
「別に、相手にしてねーよ。」
「ま、かわいい子いたら教えてね」
「んな…教える・・・」
一瞬、頭の中で図書館の子を思い出した。
「何?やっぱりかわいい子でもいたの?」
「いや、いねーよ」
ちゃんと顔見れてないしな。
そして俺は自分の部屋へ行った。