シンデレラ
女は、俺にキスをしてきた。
俺は女の両肩を持ち、女を離した。
「麗美、やめろ」
「いいじゃない、外国からしたら挨拶なんだから。」
「ココは日本だ。外国じゃない。」
俺はコイツを無視して、先へと歩き出した。
「あーん、雅人待って!」
俺の後を追っかけてきたコイツの名前は、佐野 麗美(サノ レミ)。
佐野商事の令嬢。
高2の時にイギリスから帰国子女し、榊原総合に編入してきた。
俺はコイツのところと、両親の仕事上で面識があったため、 学校のわからないことは俺に聞くよう、学校から言われた。
それ以来、コイツは俺に的割着いてくる。
ミスコンにも優勝してる奴だから、周りのファンクラブの奴らは何も言えない。
社長令嬢だしな。
もちろん、俺が財閥の御曹司だってことも知ってる。
転校当初は、彼女じゃないかって噂されたくらいだ。
冗談じゃねー。
結局、俺はあの子に会えないまま家に帰った。