シンデレラ
~杏樹Said~
大変!大変!
さっき本屋で声を掛けてきた人は、なんと…この前図書館の人!
もう頭の中が何が何だか…
パニックになっちゃって、何か聞かれてたけど…店から出てきちゃったよ!!
あの人怒ってないかなー?
「ちょっと待てよ!」
「ぎゃあ!」
「ぎゃあって…。もっと可愛く言えないの?」
捕まれた腕の方を見ると、さっきの図書館の人!
あわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわあわ…
「おーい!聞いてる?」
もうあたしの頭の中は機能停止状態だった。
すると、彼のポケットから携帯が鳴った
「あ、蓮?あぁ。悪い、急用思い出して、スカイからもう出てんだよ。あぁ。わかった。またな?」
誰かと買い物…?
あー!繭と優花忘れて、エンジェル・スカイから出て来ちゃった!
時刻は…3時…8分。ヤバい…2人とも怒ってるだろうな。
特に、優花は時間にうるさいから…。
「どうかしたの?」
ずっと腕を掴んだ彼が、あたしの顔を見て問いかけてきた。