シンデレラ
そして、合宿当日、1日目。
バスで合宿場へ向かう。
バスの中ではみんなが俺に声をかける。
「雅人く~ん、クッキー焼いてきたの、食べて。」
「あーん、あたしのが先よ。」
「雅人様、お茶はいかがですか?」
どいつもこいつもうざい。
俺は甘いの嫌いだし、今はそんな気分じゃない。
合宿場に着くまで寝ていたい。
しかし、女たちの声はますます酷くなるばかり。
「悪いね。俺ちょっと寝たいから、後で食べてもいい?」
笑顔でそう言えば…
「あたしの膝枕使って!!」
と、次々と声が飛ぶ。
もう帰りたい…
結局寝ることもなく、早く着けと、願うことしかなかった。