新しい恋のはじめかた
「……ピアス。うん、いいな!」
「でしょ?」
「やっぱ花音に相談してよかったよ!!」
「…そう…かな…」
「じゃあさっそく帰りに買うか。ありがとな花音!」
「ううん。どういたしまして」
「また明日なー」
「…また明日」
楓は図書室のドアを開けて行ってしまった。
階段のほうからはドタドタと楓が階段を下りる音が聞こえてくる。
そんなに茉奈ちゃんが好き……?
「……うっ……ふぅっ……」
そう思っていたら自然と涙が出てきた。
「……うぅっ……」
あたしも好きなのに……。
「――――…おい」