新しい恋のはじめかた
「ーー…利玖、ありがとう」
「あぁ。どういたしまして」
「あたし…利玖のこと知れてよかった。また教えてね?」
「当たり前。じゃあ、次のときは花音のことも教えてな?」
「うん…いいよ?」
「………それじゃあ…俺帰るな?」
「…ん。本当にありがとう」
………何でだろう…。利玖が帰っちゃうって思ったら何か寂しい気持ちになった。
「…花音」
「なに?」
「明日、予定ない?」
「明日?ないけど…」
「だったら、明日デートしようか。明日は体育祭の振り替えだし」
「でー…と?」
「うん。嫌か?」
「い、嫌じゃない!!行きたい!!」
「よかった。じゃあ…明日11時、駅前な?」
「わかった!!」
「……それじゃあ…また明日」
「バイバイ…」
利玖はあたしに手を振って、自分の家のほうへ歩いて行った。
明日…利玖とデートなんだ…。
幸せを感じながら、あたしは家の中に入った。