新しい恋のはじめかた
どこからか低い声がして体がピクリとする。
「……え…」
「寝るのに邪魔」
背伸びをしながら奥のほうから出てきたのは
すごくキレイな男子。
「……す、すみません…」
「―――…あんた泣いてんの?」
「……あっ!」
泣いていたことを忘れていたあたしは急いで涙を拭いた。
「……そんなにあいつが好きか?」
「なっ…!もしかしてさっきの…」
「全部聞いてた」
すかした顔でその男は言った。
「別にあなたには関係ない…」
「まぁそうだな。でも泣いてるやつをほっといても後味悪いから。話し聞いてやる」
「聞いてやるって……」
上から目線ですね………。