新しい恋のはじめかた
来てくれた
*
「ーーー…花音は飲み物何がいい?」
「えっと…オレンジジュース!!」
「すみません、オレンジジュースとコーラ1つずつ」
「かしこまりました。800円です」
店員さんがそう言うと利玖は財布からお金を取り出した。
「利玖、ここはあたしが出すよ!!」
「いいよ。俺が出すから」
「そんな、悪いから!!さっきだってお昼ご飯利玖が払ってくれたし…」
さっきのお昼ご飯の代金も利玖が払ってくれて、映画の飲み物まで利玖に買ってもらうなんて…。
「…そういうのは気にしなくていいから。さ、中入ろう」
「何か…ごめんね……」
「謝られるよりお礼言われたほうが嬉しいんだけど?」
ニコッと笑いながら利玖は言った。
「ありがとう」
「どういたしまして。行こうか?」
「…うん。………いっ…!」
「どうした!?」
「ううん、何でもない!!行こ!!」
あたしは利玖の手を引いて、映画館に入った。