新しい恋のはじめかた
「…っ……いたっ…」
しばらく走ったけど、靴擦れしていたところが痛くてあたしは走る足を止めた。
近くのベンチに座って足を見てみたら血が出ていた。
もう最悪……。
もっと…楽しいデートにしたかったのにっ……。
「…うっ…うぅーーー…」
気がついたら涙が出ていた。
「……りく…」
いるはずのない利玖の名前を呼んでしまう。
すると、どこからか足音が聞こえてあたしの前でピタリと止まった。
「ーーー…花音」
その声と同時にあたしはキツく抱きしめられた。
「……何で…利玖…っ…」
「何でって…花音置いて帰れるわけないじゃん」
利玖はいつもの笑顔でそう言った。