新しい恋のはじめかた
「2年でも、また相談乗ってくれよ?」
「…当たり前じゃん……」
……まさか楓と同じクラスになるとは…。
神様って意地悪だなぁ……。
――――――――――ガラッ…
「――…はい、席着いて。俺が3組の担任の安西宗吾だ。1年間よろしく」
教室に入ってきたのは、あたし達の担任になった安西先生だった。
てか、去年も安西先生だったな……。
「……それじゃあ出席とるから。名前呼ばれたら返事しろよ」
先生がそう言うと、次々に名前が呼ばれていく。
―――…あれ?
あたしの隣の席の人いないや……。
「……片桐」
「………え、あ…はい」
「…北野」
「はーい」
「……黒瀬。…ん?黒瀬利玖は遅刻か?」
…………黒瀬利玖!?
いつか聞いたことのあった名前にあたしは反応した。
その瞬間……
「……すんません。遅刻しました」
勢いよく教室のドアが開き、あの人が入ってきた。
……黒瀬利玖…。