新しい恋のはじめかた
「えっ!?ちょっ…」
楓はあたしの手を握って走り出した。
「か、楓だけ走ればいいよ!あたし遅刻でもいいから!!」
「ダメ」
「え…」
「俺がよくない」
そう言うと楓は走るスピードを速くした。
………そんな期待させるようなこと言わないでよ。
ますます楓が好きになっちゃうじゃん……。
でも楓は好きになっちゃいけない。
告白なんてしてはいけない。
だって……
楓には彼女がいるから………。
もう違う女の子の彼氏だから―――…。