新しい恋のはじめかた
「おい、黒瀬。始業式の日から遅刻すんなよなー」
「はいはい」
黒瀬利玖は適当に返事をして、自分の席に向かって歩き出した。
………って、もしかしてあたしの隣…?
「……花音おはよ」
「おっ、おはよう…」
「すげぇな。同じクラスに隣の席」
「そうだねっ」
「……おらそこ。イチャつくな」
黒瀬利玖と話している途中、先生に注意された。
「あ、バレた?」
ははっと笑いながら黒瀬利玖は言った。
「バレバレだ。イチャつくなら放課後にしろ」
「だって花音。放課後まで我慢しろよ?」
「ちょっと!変なこと言わないでよ!!」
「そんな怒るなよ花音」
そのあとも、あたしと黒瀬利玖の言い合いは続いた。