新しい恋のはじめかた
黒瀬利玖と会ってから少ししか経ってないのに
こんなに黒瀬利玖は優しくしてくれる。
どうしてだろう……?
「――――…あたしんちここなの!」
学校からあたしの家までそんなに時間はかからない。
徒歩で20分くらい。
「何だ、俺んちと近くだな」
「そうなの?」
「俺んちこの先歩いて10分くらいのとこ」
「へぇ…本当に近いね!」
黒瀬利玖とあたしの家は意外に近いことが判明した。
「そんじゃ俺は帰るよ」
「うん。ありがとう」
「どういたしまして。じゃあな?」
「…バイバイ……」
黒瀬利玖はあたしの頭をポンと叩いて歩きだした。