新しい恋のはじめかた
姉思いの弟
*
*利玖サイド
花音が着替えてくると言って、自分の部屋に行った。
フッ…着替えてんのにな…?
つーか、馨と2人きりじゃん……。
そう思いながらも花音の弟の馨のほうを向くと、
馨はニカッと笑った。
「俺、利玖さんがねーちゃんの彼氏になったら、すげぇいいと思うなー」
「そうか?それは良かったよ」
嫌だって言われなくて良かった……。
馨の言葉に俺は少し安心した。
「でも…利玖さんとねーちゃんが付き合わないのって……ねーちゃんが楓って人のこと好きだから?」
「――…馨…お前…」
花音が楓のことを好きなのを知ってんのか…?
俺が聞くと、馨は渋い顔をして頷いた。