新しい恋のはじめかた
時間が経つの早いなぁ……。
「花音は何か食いたいもんある?」
「んー………オムライスが食べたい!!」
「オムライスか。よし、行くか!!」
あたしと利玖は水族館内のオムライス屋さんを目指して歩き始めた。
……………それにしても…人多いなぁ…。
ーーーーーーーーーー…ドンッ!
「きゃっ………」
あたしは歩いている途中、誰かにぶつかってしまった。
「……いたたっ…」
「花音大丈夫か!?」
「………利玖…うん。大丈夫…」
利玖はあたしのほうに近づいてきて、心配そうな顔であたしを見た。
「……ん」
「…え?」
利玖はあたしに左手を差し出した。
「ケガしないように。ほら、右手出して」
「う、うん」
利玖に言われた通り、あたしは利玖の左手に自分の右手を重ねた。