新しい恋のはじめかた
完全に立場逆転だ。
「…もー!!」
「ごめんごめん。そんな怒んなよ」
あたしが怒ると利玖は絶対謝る気がないけど、いちよう謝った。
「……お、そろそろチャイム鳴るな。戻るか」
「そうだね」
利玖……?
あたし…自分の不思議だと思ってた気持ちに気付いたよ……?
ありがとうね、利玖。
いつも一緒にいてくれて……。
いつもあたしのこと考えてくれて……。
でも…もう大丈夫だからね。
あたし…自分の気持ちに気付けたから。
だから……あたしケジメ着けてくるよ。
あたしがケジメ着けたら…利玖、あたしの話を聞いて…?
あたしはそう思いながら、利玖と一緒に教室に戻った。