新しい恋のはじめかた
楓に告白して、楓を好きだった恋は過去にする。
これがあたしなりのケジメだと思った。
楓を好きだったことは忘れて、利玖にちゃんと好きって伝えたい。
利玖は……あたしに新しい恋を教えてくれたから。
「……そっか。花音がそうしたいなら、あたしは応援するよ」
「ありがと…」
「それで、楓にはいつ言うの?」
「今日の放課後、図書室で待っててって言った」
「そう……。頑張ってね?」
「うんっ…」
ーーーーーーーー…キーンコーン…
「…あ!チャイム鳴ったね!!戻ろうか!!」
そう言って奈保はあたしを置いて、スタスタと屋上から出ていこうとした。
「…待ってよ奈保ー!!」
「花音早くー!!」
あたしは走って奈保の後を追い、屋上から教室に戻った。