新しい恋のはじめかた
ーーーーー…ガラッ…
「……あっ、ごめん。待った?」
「…俺も今来たとこー」
放課後になって図書室に行くと、すでに楓はいた。
「めずらしいな、花音が俺を呼ぶなんて」
「うん。ちょっと話したいことがあって」
「おお、何でも言ってくれよ!!勉強のこと以外なら」
楓はニカッと笑った。
あたし…楓のこの笑顔が好きだったなぁ……。
「…楓。驚かないで聞いてね?」
「…あ、あぁ…」
「あたしね、楓のわこと好きだったの…」
「……………」
「楓が茉奈ちゃんと付き合ってても……」
「…そうだったのか……」
「…うん……」
本当は楓に告白する気なんてなかった。
振られるのはわかっていたし、楓と気まずくなるのは絶対に嫌だったから。
………でも、利玖と会って…利玖を好きになって…。
全部…利玖のおかげだよ……。