新しい恋のはじめかた
「ま、花音なら大丈夫だろ!!!」
「他人事だと思って…」
「違うって!!本当にそう思ったんだよ」
「本当~?まぁ、いちようありがとう」
「そりゃどーも」
……こんな風に楓と普通に話せてるのは利玖のおかげだよね。
「それじゃあ、あたし、そろそろ行くね!!」
「おぅ!!ありがとな花音!!」
「こっちこそ!!あたし……楓を好きになれてよかった!!」
「俺も花音に好きになれてもらえてよかった」
「じゃあね…」
「また明日」
あたしは楓に手を振って図書室を出た。
楓を好きだった恋に終止符が打てた。
利玖…ありがとう……。
利玖…好きだよ……。
あたしは利玖に会うために走って自分の教室に向かった。
利玖に待っててって言ったから待っててくれてるはず。
利玖に……早く会いたい…。
「ーーー…利玖っ…」