新しい恋のはじめかた
『俺を好きになったら花音からキスして?』
泣いているあたしの頭の中に利玖が前言った言葉が過った。
「……あ…」
そうだよ…ここで諦めたらまた恋を諦めることになる。
まだ利玖は学校の中にいるよね?
そう思ったら勝手に体が動いていた。
「ーーーー…利玖待って!!」
廊下を走っていたら利玖を見つけて、あたしは利玖の名前を呼んだ。
「…花音」
「あたしっ……まだ話すことがあるの…」
「俺はないよ。…ほら、花音は好きなやつのとこに行きな」
「……っ…あたしが好きな人は目の前にいるもん…」
ーーー…そして…あたしは自分から利玖の唇に自分の唇を重ねた。
「……あたし…利玖が好きっ…」
「……え…?」
「……あたしが好きなのは、利玖だよっ…」
「……っ…」
「…好きっ……きゃっ…!?」