新しい恋のはじめかた
………ん?奈保こっちに走ってきてる?
「…か、花音!!」
「どうしたの!?」
「け…ケータイ!!ケータイ貸して!!」
ケータイ!?
あ、あぁ…借り物競争だからか!!
「はい、奈保!!!」
「ありがとー花音♪」
あたしはバッグに入っていたケータイを奈保に渡した。
「ーー…はぁ…疲れたー」
「お疲れー!!奈保やっぱり走るの速いねー」
「そう言う花音も十分走るの速いからね!!」
そんなことないのに……。
「さて、あたしはもう出るものないしゆっくりしよー♪」
「いいなー奈保…」
「花音は借り人競争だっけ?もうすぐだね」
「どうしよう…変なのでたら…」
「大丈夫でしょ!!多分…」
どうか…難しいのは出ませんように!!
あたしは出番がくるまでそのことだけを祈っていた。