にゃあー!とお鳴きなさい。
プロローグ
夢を見た。
夢の中で俺は”猫”で...。
何かを話しているんだけど、何を言っても「にゃーあ」としか言葉にならない。
何度も何度も俺は「にゃーあ」と誰かに訴えるように叫んでいて。
そのうち、伝わらない苛立ちから頭に血が上って体がぶるぶる震えだした。
ぶるぶるぶるぶる...震えだして、
なんだか寒気がして、一際大きく叫んだとたん目が覚めたんだ。
(助けて...)声にならない叫びだった。
その朝、俺は、初めて”夢精”をした。
14歳の春。
大人の階段に足を掛けた日。