にゃあー!とお鳴きなさい。
─────‥
「本当にあの子は昔っからよく倒れる子だったわ」
「あら、そうなんですか?」
「ええ、体が弱い訳ではないんですけどね」
「ええ、わかっています」
「…全部“使い猫”のせいだったんですね」
「ああ、そうだな──しかし我が家から“猫”が出るなんて…今まで無かったことだぞ」
「ええ、そうですね……」
「おや?母さん、何だか浮かない顔だな?これは喜ばしい事なんだよ?」
「…」
「しかも、あの夏梅様の猫なんだぞ?こんなに光栄な事などないだろう」
「はい──でも、寂しくなりますからね…」
「ああ、そうだな……」
ひそひそ話す母さんたちの話声がしたけれど、繰り返し優しく頭を撫でられて、その気持ちよさに叉眠ってしまった。