にゃあー!とお鳴きなさい。
我が校のアイドル的存在の珠樹先生。


男子の半分は先生をおかずに----しているであろう存在。


例外に漏れず、海も珠樹先生命---らしい。


「はああああ....」


さっきとは逆に海がため息を漏らす。


「俺、帰ろうかな...」


「はあ?」


「なんかさ、出鼻挫かれたって言うの?やる気が一気になくなったてばよお~」


そう言ってがっくりうな垂れた海。


「---」


「なあ?一緒に帰ろっか?」


「はあ?一緒に帰ろうだって?女子じゃああるまいし、帰りたかったら一人で帰れよ。俺は行くからな」


付き合ってられない。


珠樹先生が絡むといつもこうだ。


普段は律儀で優等生で--人を見下したような態度の海なのに


彼女が絡むと、どこかひょうひょうとしていて--浮き足立ったような、軽い男になる。


俺は、こんな海はあまり好きじゃない。


「ええ~~ちょ、待ってくれよ~~」


情けないような海の声がしたけれど、無視して歩いた。


「...あ」


「あら、おはよう。」


元凶の彼女が俺に向かって------


「子猫ちゃん」


通り過ぎるその一瞬にそう言った気がした。






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