にゃあー!とお鳴きなさい。
これは、猫耳ですか?
苛立ちを隠したまま、急いで歩くのは感心しない。
事故に合う確立が高くなるからだ。
「ちょ~待ってくれよ~~!!」
「---」
「俺も、いくからさ~~!!」
「---」
「なあ~~!悪かったよ~~!!----ぶほっ!」
突然立ち止まった、俺の背中に海の顔面がぶつかる。
「あら?もう帰るの?クラブは?お休みかしら?」
校門を出た瞬間掛けられた声。
無視しようとしたのに----足が止まってしまった。
「あ!!珠樹先生!!」
ぱっと、顔色を変えて飛びつくように先生の元へ走っていく海。
「---」
「うふふ...なあに?」
近づいた海の頭を撫でながらそう言って微笑む。
「---」
海のやつ、デレデレしやがって---。
「海!!俺先に帰るから!」
そう言って踵を返した。
「あら、気を付けて帰りなさいね」
「また明日な~~」
デレデレした海のぺらっぺらの薄い挨拶に、俺はぶち切れる寸前だった。