そのトキまでのサヨウナラ


‥いじめ。


こんなことは慣れっこだ。


初めては小学四年生の時。


同じクラスの男の子に告白されたのが始まりだった。


その男の子は、私の一番仲の良かった友達の好きな人だった。


そして、‥私の好きな人でもあった。


だけど恋愛なんてものよりか、友達への思いのほうが大きかった。


だから私は、震える声で「ごめんね」と、初めての告白を断った。


やっぱり、少しだけ悲しいという思いは残ったが、それよりか、私は友達との友情を守ったのだ、と小さいながらに誇らしげに思ったことを覚えている。


だけど私だけだったのだ。


そんな風に思っていたのは‥。


次の日、私はいつものように友達に「おはよう」と、駆け寄っていった。


だけど、その声に反応してくれるものなど、もう誰一人としていなかったのだ。


そう、私は仲の良き友達の好きな男をとった男。そんなレッテルがはられたのだ。


そこからはもう、あれよあれよという間に、私の周りからは何もかもなくなり、「いじめ」というものだけが残った。


一番仲の良かった友達が私に言う。


「あんたさえいなければ」


そして友達はこうも言う。


「この裏切り者。あんたが死んでも誰も泣かない。気付きもしないよ」と。


そう言われた、その日から


私の世界に色はなくなる。


‥−


゜。



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