そのトキまでのサヨウナラ
「‥‥ん、」
脳がうっすらと起き始めたと同時、全身の痛みに声が漏れる。
そして、昔の夢を見たせいか心なしか胸がうずいて、泣いていた気さえする。
完全に、体に駆け巡る痛さのお陰で脳は一気に覚め上がり、目を開ける。
見上げた先には、真っ白な天上。
あぁ、病院か。と、そう思ったのはつかの間。
真っ白な天上には、‥多分シャンデリア、であろうものが部屋を照らしている。
私はそこで初めて辺りを見渡す。
白が基調、な部屋で‥
私はこんな部屋、知らない。
そして、とても広い部屋なのだということに気づかされる。
置いているもの、一つ一つが洒落ていて‥なんというか、落ち着かない。
いや、落ち着くというのもまたおかしな話であるのだが。
あぁ、やはり私はまだ夢の中にいるのかもしれない。
だってこんなにも、私の心は穏やかだ。