。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


確かに可愛いワンピだった。裾がふんわり広がっていてお嬢様ぽい感じ。


意外にもエロさは感じられないような…


色が色だからか?それともデザイン?


試着室を出て改めて鏡で映し出すと、サイズもぴったりな気がした。


「お似合いですよ~♪」


ショップ店員のお姉さんもにこにこ。


可愛いけど…お値段が可愛くない。


(さっきちらっと見た)


バイト代はまだ出てないし、お小遣いもそう多いわけじゃない。


しかもこれ一枚で外を歩くにはやっぱり抵抗がある。


「あ…あは?こんなの一枚だったら日に焼けるし?」


やっぱ無理。と言って無理やり笑うと、


「お前日焼けなんて気にしてないじゃん。ってか充分白いぞ?」


「で、でもあたし寒がりだから!肩冷やすとちょっと……(←完全なるウソ)」


ショップのお姉さんが居るからな。あたしもあんまり強くは言えない。


遠まわしにキャミワンピは無理。と戒に訴えたが、


「だったら俺があっためてやるよ」


ぎゅ


戒が背後からあたしを抱きすくめてきた。


ギャア!


戒の体温はやっぱりあったかくて……ってか腕!戒の腕があたしの肩に直に触れてるんスけど!!


店員さんもびっくりして、それでも羨ましいような微笑ましいような、苦笑を浮かべている。


「な、何すんだよ!この変態やるぉう!」


あたしは店員さんが居る前だと言うのに、本日の二度目のパンチを繰り出すも、戒はあっさりと受け止め、


「それに決めないと離さな~い♪」


と楽しそうに耳元で囁いてくる。


んぎゃぁ!!


「こ、これにします……(泣)」


あたしは顔を青くさせたり赤くさせたりで、泣きそうになりながら、試着を見てくれていたショップのお姉さんを見た。





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