。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
店を出るときも戒はすぐに手を繋いできた。
嬉しいけど、久しぶりだし、このキャミワンピだし??変な風に心臓がドキドキいって、あたしは空いたほうの手で心臓の当たりを押さえた。
「あ、そだ。外ではこれ着ろよ」
ふわっ
ドキドキしているあたしの肩に、戒はふわりとネイビー色のカーディガンを掛けた。
「へ??これ、どーしたの?」
「んー?さっきの店で♪そのワンピースと合うかと思って♪」
戒はさらっと言ったけど……
ってかこのカーディガンも可愛いし。ってか大人っぽい。
戒ってセンスいいよな。
じゃなくて!
「これも買ってくれたの!?さすがに悪いよ!!」
「それぐらいいいって。さすがに俺には店一軒なんて無理だけど、それぐらいならお前にプレゼントできるし。
ってかせっかくのデートなんだし、目一杯お洒落して楽しもうぜ?」
にかっと笑う戒。
「いつか……
いつかお前のクローゼットを、ってか部屋を。
お前好みの服でいっぱい埋めて、お前が毎日楽しそうに服を眺めるのを見れたら
それが俺の夢」
小さな部屋に色とりどりの洋服たち。
ふわふわやふりふり。リボンにレース。部屋いっぱいに埋め尽くすのは、あたしの大好きな洋服たち。
でも……
あたしはそんなことより、ずっと隣に戒に居てほしい。
それだけ。
それだけで充分なんだ。
でも
そう言ってくれて嬉しいよ。
「ありがとな」
あたしは戒の手をきゅっと握って、戒に笑顔を向けると戒もはにかみながらちょっと笑った。