。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


都心に建つ大きなショッピングビルには、香水のショップがあった。


今日は―――香水を付けてない…


叔父貴から貰った―――チェリーブロッサム。


あの香りがしないことに気付いているだろうに、戒は何も突っ込んでこなかった。


ショップを通り過ぎようとして、


あたしは戒の手を引いた。


「か、戒!あたし香水見たい!」


思い切って言ってみると、


「おう」と戒が気楽に返事をくれる。


ショーケースにずらりと並んだ、色とりどりの香水瓶たちはどれもキラキラときれいなデザインだった。


その前に試す用に、小さなプラスチックのケースが並んでいる。


「ってかこんなに種類あるんだな」


と戒は物珍しそうに隣で目をぱちぱち。


「お前はつけないの?」


いつもあんなに爽やかなミントの香りを漂わせてるから…何なのか気になってたけど。


「俺はつけてねぇな」


ってことは歯磨き粉?


何だよそれ、いかにも自然でちょっといいじゃねぇかよ。萌え……


じゃなくて!


「香水代えるん?」


戒が聞いてきた。


何気ない素振りで聞いてきたけど、





戒………自分でも気付いてないと思うけど、あんた今関西弁だったよ。





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