。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


泊まるってのは、つまりそういうことだよね!


ど、どうしよ!


心の準備もしてなかったし、って言うかあたし大胆発言!!


ぐわっ!どうしよっ!!!!


と、一人で慌てふためいているあたしの隣で、


「とりあえず飯食いに行こうぜ。マクドでも♪」と戒はマイペース。


一人で慌ててるあたしが急に恥ずかしくなった。その緊張を悟られない為、あたしはわざと大げさに戒を睨んだ。


「マックだ!ここは東京だ!!」


「ええやん、どっちでも」


「良くない!東京色に染まれっ!」


ビシっと指差すと、戒はぷっと吹き出し、


「なぁんかデジャヴュ??前にもあったな~こんなこと♪」


にこっと微笑んであたしを覗き込んでくるその目は、やっぱり仔犬みたいに愛くるしくて、


それだけで悩殺されそうだぜ。


って言うかやっぱり戒は何気に緊張してるあたしの気持ちをほぐしてくれてるみたいで―――


その無邪気な笑顔に心がゆっくりと溶けていく。




前は―――戒があたしの婚約者だと知ったばかりのときだった。


あたしは叔父貴のことがまだ好きで、いきなりそんなことを言われて戸惑ったし、傷ついた。


ガッコへ行きたくなくて、授業をさぼったときに戒は一緒についてきてくれた。


その頃からずっと……


ずっとずっと、




戒に惹かれてる。






ごめんね叔父貴。




朔羅は今日―――叔父貴の知らない朔羅になります。





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