。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



あたしたちがメニュー表を二人で覗き込んでると、


すぐ隣にまた一組新しい客が通された。


女の子の方は―――デート用なのだろうかキメキメワンピに、化粧も髪型もばっちり決まってる。
(男の方は割りとカジュアル)


男の客が薄手の上着を脱いで、それを女の子が受け取ろうとしていた。


両手を懸命に差し伸べて、斜め45度の角度で小首をかしげてる姿を見て


…ぅを。すっげぇな。


あたしなんて逆立ちしても真似できない可愛らしい仕草だ。


これなら男もイチコロだな。


戒もああゆう可愛くてしとやかな女の子が好きだろうな。


てかもっとあたしもしとやかにいかなきゃ!こんなお得用のセットなんて本気で選んでる女、可愛くねぇ。


ちらりと様子を窺うように前を向くと、戒は違った意味で目をぱちぱち。


何となく気になって女の子の方を見ると、上着を受け取った女の子がよろけて可愛らしく椅子に尻餅をつく。


「キャ」声まで可愛い。


「…………」


戒はまるで奇異なものを見る目つきで目を細めていて、あたしは益々気になって女の子の方をちらりと盗み見た。


女の子は出されたお冷もとっても可愛らしく、まるで小鳥のように一口飲んでは、


「おいし~♪」と可愛らしく声を上げる。


は!あたしもやらなければ!!


ガッ!


水が入ってるグラスを勢い良く握ったが、


ガブッ!


思わずいつもの勢いで一気飲み。



ゴクゴク…


ふぅ、喉が渇いてたから丁度良かった~




じゃなくて!こんなの可愛くなーーーい!!!





< 135 / 776 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop