。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
あたしたちがメニュー表を二人で覗き込んでると、
すぐ隣にまた一組新しい客が通された。
女の子の方は―――デート用なのだろうかキメキメワンピに、化粧も髪型もばっちり決まってる。
(男の方は割りとカジュアル)
男の客が薄手の上着を脱いで、それを女の子が受け取ろうとしていた。
両手を懸命に差し伸べて、斜め45度の角度で小首をかしげてる姿を見て
…ぅを。すっげぇな。
あたしなんて逆立ちしても真似できない可愛らしい仕草だ。
これなら男もイチコロだな。
戒もああゆう可愛くてしとやかな女の子が好きだろうな。
てかもっとあたしもしとやかにいかなきゃ!こんなお得用のセットなんて本気で選んでる女、可愛くねぇ。
ちらりと様子を窺うように前を向くと、戒は違った意味で目をぱちぱち。
何となく気になって女の子の方を見ると、上着を受け取った女の子がよろけて可愛らしく椅子に尻餅をつく。
「キャ」声まで可愛い。
「…………」
戒はまるで奇異なものを見る目つきで目を細めていて、あたしは益々気になって女の子の方をちらりと盗み見た。
女の子は出されたお冷もとっても可愛らしく、まるで小鳥のように一口飲んでは、
「おいし~♪」と可愛らしく声を上げる。
は!あたしもやらなければ!!
ガッ!
水が入ってるグラスを勢い良く握ったが、
ガブッ!
思わずいつもの勢いで一気飲み。
ゴクゴク…
ふぅ、喉が渇いてたから丁度良かった~
じゃなくて!こんなの可愛くなーーーい!!!