。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「あいつの初恋…ってかそんなんじゃないかもだけど、相手、俺のおかん。
おかんだぜ!あいつどこに目を付けてんだっての!」
ガンっ!
戒が本気で怒ったのか、フォークをテーブルに叩きつける。
怖ぇえよ。
ってかお母さん取られてヤキモチ??
「戒はマザコンかぁ…」
まぁ鈴音姐さんなら、超絶美人だし~?自慢したくなる母親だよな。
あたしが戒と結婚して鈴音姐さんが義母親になったら絶対自慢するし♪
「勘弁してくれ。おかんと響輔だったら俺は間違いなく響輔を選ぶ!アイツの方がまだまし!!」
「ぶっ飛んだこと言うなよな!想像しちま…」
う………
戒とキョウスケ…すっげぇお似合いなんですけど!美形二人だから妙に絵になるし!
いかん、いかん。“秘密の花園”チックな想像を慌てて消し去るようにあたしは手をバタバタ。
「なぁに想像してんだよ。やらしーこと?」
「ち、違うし!」
あたしは慌ててパスタを口に入れた。
その向かい側で戒はフォークを置いた。まだ皿にはパスタが残ってる。
え??残すの?珍し~…
だけど戒はそのつもりはないようで、僅かに目を伏せると口元をゆっくりと綻ばせた。
「響輔のは冗談としてや。俺が本気で誰かのことを強く想うんは―――
きっとこれが最初で最後やな。
ほんまに最後―――……。次とかは
絶対ありえへん。
俺はどんなことがあっても、お前を絶対に手放す気ぃにはならへんからな」
覚悟しいや。
そう締めくくって戒はフォークを持つ手を再び動かしだした。