。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




―――…覚悟……



した。



戒の言葉を聞いて、あたしちゃんとあんたに伝える。


それであんたにあたしの全部を





あげる。





――――パスタを食い終わって、あたしたちはやっぱり手を繋ぎ合って店を出た。


帰るときにちょっと気になった。


隣の席のカップルはどうなんだろう、って。


あたしたちが店を出るときも、一方的に女の方が楽しそうにしていたが、男の方の口元に淡い笑みが浮かんでいるのを見て


あたしは何故だか、心があったかくなった。


「さってどこ行くか~」


戒がのんびり言って、


「腹ごなしもしたし、ちょっと歩かん?」


と戒の提案にあたしは頷いた。


さっきのイタリアンの店のときのように会話は弾まなかった。


って言うか覚悟はしたけど、緊張し過ぎて会話を楽しむことができない。


一方的にギクシャクしてるあたしの隣で、戒はまるきりその気がないのか、当たり障りのない会話を繰り出しながら賑やかな都心へと歩いていく。


「ゲーセンでも行くかぁ。カラオケとかもあるけど?さすがに漫喫で一晩てのはしんどいよな。俺は大丈夫やけどお前は女やし」


そう言いながらキョロキョロ。


や、やっぱり……戒はあたしと今更そうなる気はないのだろうか。




あたしは―――あたしは戒と―――



あたしは戒の手を一層強く握った。




「あたし……行きたいとこある」




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