。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「無言はYes?」
あたしの返事を聞かずに、戒の両腕があたしの肩を包み込んだ。
ま、まだ答えてないんですけど!
と心の中で叫んだが、一方で覚悟しているあたしが、
もっとぎゅっとされたい、って思ってる。
戒の体温を間近に感じたいと思っている。
じかに触れた肌はしっとりとしていて、戒の温度や腕の力強さをリアルに感じた。
ドキン…ドキン、ドキン…
ドキン!ドッキン!!!
ぎゃぁああ!あたし爆発しそう!!
と叫びだしたい気持ちのままそのまま固まっていると、戒と鏡越しでばっちり目が合ってしまった。
慌てて逸らそうとしたけれど、それよりも早くに戒があたしの顎の先を掴み、動かないように固定した。
あたしの背後で戒が口元にふっと色っぽく微笑を浮かべ、無言であたしの首筋に顔をもっていく。
戒の濡れた髪の先があたしの頬をかすめ、くすぐったさに身をよじりそうになったが、戒は逃がさないようにあたしを抱きしめる腕に力を込めて、
あたしの首筋にそっと口付けを落としてきた。
チュッとキスの音が風呂場に響いて、それが何だかやけに艶めいて聞こえた。
戒の唇が首筋をなぞるようにキスのシャワーを降らして、あたしの肩や二の腕をそっと撫で上げる。
それは優しい
優しい
感触だった。