。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
双龍!?
◆ 双龍!? ◆
「何でぃ。さっきはあんなに雰囲気良かったのに」
風呂をあがってバスローブに身を包んだ戒がふてくされたようにソファにあぐらを搔いている。
「おめぇ、あたしの気持ち無視したくないとか言ったじゃねぇかよ」
思わずそう睨むと、
「ケースバイケースだ♪いい雰囲気だったからさ~。はぁ、もっと触っておけば良かったぁ」
がくりと項垂れる戒。
戒とお揃いのバスローブを着ていたあたしは慌てて胸元を合わせると、戒から離れた。
「はぁ、戒くん悲しい」
と泣き真似をしてじとっと恨みがましい目で見てくる戒。
「知らねぇよ!一生悲しんでろ!」
あたしは思わず怒鳴って警戒体勢に入ったけれど、
戒はマイペースにドリンクやフードメニュー表をぺらぺら。
「気ぃ抜けたら喉が渇いたな~。何か飲もうぜ~。
今日は二人きりだし?朔羅、お前酒飲んでもいいぞ~♪酔っぱらったら俺が介抱してやるよ♪」
エロ戒のやらしい手付きを白い目で見ながら、あたしはソフトドリンクを飲むことに決意!
でも、そのやり取りが普段通りで、さっきのお互い不自然な程ギクシャクしてた様子を思い出すと、やっぱりこっちの方が楽しかったり。
戒と一つになりたい、って思ったのは一歩前進だと思うけど、
それはやっぱり叔父貴のことを意識して、ってことだから変な風に急いでいたんだな。
「朔羅♪チョコレートパフェあるぞ?♪」
楽しそうにメニュー表を渡してくる戒を見て、あたしは―――
やっぱりあたしは戒とこうしてるのが好き。こうやって笑いあってるのが楽しい。
今回は結局流れちゃったけど、
今度また自然にそういうときがきたら―――
今度こそ、何もかも忘れて戒の腕を抱きしめよう。