。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



「試しに実践してみようぜ~♪朔羅~♪♪」


戒が両手を広げて、がばっとあたしに抱きついてきた。


「触んじゃねぇ!このスケコマシ!!」


バキィ


ラブモードをOFFったあたしはいつもの調子に戻り、ってかいつも以上に??


激しいパンチで戒を張り飛ばした。


「僕の彼女は暴君です」


殴られてもちっとも堪えてないのか、顎をさすりながらすぐに復活する戒。


あたしの肩に腕を回して、髪の先をそっと撫で梳いた。


色々突っ込みたいところがあったけれど、もういいよ。


こいつが甘えん坊だってことを知ってるし。って言うか何かに触れてないと会話できないのかよ!


戒はあたしの髪を撫でながら、前を向いて


「金魚と言えば、彩芽さん。お前あの人と親しそうだったけど、どんな人なの?」


戒が思い出したように言ってタバコを一本取り出した。


あたしの髪を撫でる手付きは優しくて甘さを滲ませていたけれど、声はその手付きとはまるで正反対だった。


いつもよりトーンを落として、僅かにドスを含んだ声。


「親しそうって、そんなに仲良いってわけじゃねぇよ。会ったのだって二回だし」


どういう人と聞かれて即答できる程、親しい間柄じゃねぇ。


「あ、でもあの人、前畑中組の構成員のスケ(女)だったって言ってたよ」





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