。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
狙撃!?
◆ 狙撃!? ◆
「響輔は進藤んちから、御園医院に向うって。鴇田の見舞いに行くけど、一緒にどうかって」
戒がケータイのメールを読みながらそっけなく言った。
「行くの?」そう聞いてみると、
「行く。って言っても俺も響輔も純粋に見舞いしに行くわけじゃねぇけどな。弱ってるアイツを締め上げるにはちょうどいい」
締め上げるって…
まぁ、それもいいかもしれない。あいつ見た目に寄らず結構強いからな。
正々堂々と、って感じじゃないからこうゆうのってあんま好きくないけど、でもあいつだって弱ってるキョウスケを楯にして、あたしたちを脅しにかけたわけだしな。
「あたしも行く!」
「んじゃ、お前は一旦帰ってから病院で合流しようぜ。あんま家空けるとマサさんが煩いだろ?」
―――
戒の提案にのって、あたしはとりあえず龍崎家に帰ることに。
嘘ついて外泊なんてしちゃったし、(っても結局何もなかったけど)何となく後ろめたくて、
「……ただいまぁ~」
そろりと引き戸を開けると、
「おかえりなせぇ」
どーん!
玄関の屏風の前に腕組みをしたマサが仁王立ちしていた。
ゲェ
あたしが一瞬身を引いちまうようなこっわい顔をしてマサがガン垂れてくる。
“鬼のマサ”見参!!だな。
「お嬢、昨日はリコさんちに泊まったみてぇですけど」
マサは思い切り不審そうに目を細めた。
「そ、そうだけどぉ?」
変な風に声が上ずって、あたしは慌てて咳ばらいをした。
ま、まさかこいつ!リコんちに確認の電話とかしてねぇだろうな…
「話が盛り上がって、夜中まで騒いじゃってさ~」あたしが慌てて言うと、それでもマサは疑わしそうにあたしを見ながら、
「あんまり騒いでリコさんちに迷惑をお掛けしねぇでくださいよ」
と、一応は信じた様子。
「は、は~い」
慌てて返事をして、あたしはマサの横を通り抜けた。