。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
『えぇ~??ホテルにお泊りして何もなし~?』
とリコは不服(?)そうだ。
『龍崎くんて即行で手を出してきそうだけど』
手は…ちょっと出されました。
『でも良かったね♪ちゃんと話したら分かってもらえたね。
羨ましいな、二人には強い絆があって』
リコ―――…
「……うん、ありがと。ホントにありがとね。
リコの方は?キョウスケとどうなの?」
キョウスケとの仲に進展がないことを気に病んでいたリコのことが気になって、聞いてみた。
『うん♪あたしもなんとか~。昨日も響輔さんと進藤先輩と三人で遊んだヨ♪
響輔さんが誘ってくれたの!♪』
キョウスケ……何気に華を求めたな。でもあの面倒くさがりのキョウスケが、目的はどうであれリコを誘ったってのはいい方向じゃね??
『あ、でも千里には内緒ね!朔羅と龍崎くんがお泊りだからそのアリバイ作りをしてたって知ったら、あいつ何するか』
「あ、ああ、そうだな!気をつけるよ。あれ?でも昨日キョウスケはキモ金髪んとこに泊まったって言ってたけど、リコは…?」
まさか三人でお泊り!?あたしのお泊りよりもそっちの方がハイレベルじゃん!
なんて思ってると、
『まさか~、あたしは9時には帰ったよ♪響輔さんと先輩が送ってくれたのはいいけど、お父さんが玄関前で待ち構えてて~
言い訳するのに苦労した!』
はは…リコの方も……ってかリコの方が??大変そうだな。
どこの家も一緒だな。
でも、成長すると―――思春期になると、やっぱり男の子や彼氏と遊びたい気持ちだって芽生える。
あたしたち青春―――してんなぁ
リコと話しながら、そんなこと思っちまったり
ヤクザ一家で育ったあたしは普通の恋愛が望めないと思ってたけど、
あたしがしてることって、普通の女子高生と何ら変わりなくない??
そう思うと、親に秘密のお泊りも何だか楽しい。