。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
二人がレジで会計を済ませて、店の外に出て行く姿を目で見送っていると、
「……う゛ーん…」と隣で千里が唸った。
「どうしたんだよ」
「…いや、さっき伝票持っていくときにちょっと思ったんだけど、俺あの人どこかで見た気がするんだよなぁ」
「は?」
あたしだけじゃなく千里も―――?
あたしが目を開くと、
「でも思い出せない。一回見たら忘れない顔なんだけどな」
「芸能人とか?何かモデルやっててもおかしくなさそうだよね」
リコが聞いて、それにも千里は唸りながら首を捻る。
「いやー…そんなんじゃない気がする」
あたしと千里が知ってて、リコが知らないとなると中学生以前の知人か?
学校の先生か、それとも友達の親か―――
っても親って程歳いってないだろうし。
結局悩んでも答えは出てこず、あたしはまた一つ謎を抱えることになった。