。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
驚いて目をまたたいて
「これ……プレゼント?にしちゃ随分と色気がないけど…」と聞くと、
「その様子じゃ、やっぱあんたも知らんかったようやな。俺らを狙い撃ちしてきたマシンガンから発射された弾や」
狙い撃ち―――…!?
「どういうこと!」
思わず目を開いて勢い込むと、
「そらこっちが聞きたいわ。あんたが雇った男の“協力者”に伝言」
響輔はバイクにまたがったまま、僅かに身を乗り出してあたしの耳元にそっと囁いた。
「“お嬢が狙撃に気付いて、戒さんがM240を見抜いた。
二人が気付かなかったら俺たちは今頃仲良く天国やったな。だけど次は気を抜かへんで。
俺らを甘く見るな”
て、な」
狙撃!?天国!?
あたしがごくりと喉を鳴らして唾を飲み込むと、
「あんたも気ぃ付けぇ」
と一言囁き、ゆっくりと顔を戻した。
響輔がエンジンのスロットルを回すと、ゥ゛オ゛ン!と大きなマフラーの音が地下駐車場に響き渡った。
「ま、待って!あたし、このことは何も知らない!ホントよ!!」
慌てて響輔の腕を掴むと、
駐車場に停車していた車の中から男が一人降り立った。男はキーを宙に投げたりキャッチしたりして、ゆっくりと歩いてくる。
背が高くて、鮮やかな金髪。黒っぽい服で全身を包み、軽やかな靴音が近づいてきた。
サングラスをしていたから顔は分からないけれど、知人じゃないことは確か。
でも、その男がちらりとあたしたちの方に視線を寄越してきて、あたしは慌てて響輔から手を離した。