。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
ハッキング!?
◆ ハッキング!? ◆
結局ファミレスで宿題の三分の一程度しかやっつけられなくて、あたしはすごすごと家に帰った。
肝心のドクターの女、彩芽さんとは全然喋れなかったし、彩芽さんと一緒に居たタチバナとか言う変な男が現れるし…
「ってかあいつ…タチバナ…ホント何もんだろうな」
あたしの部屋のテーブルに宿題のレポート用紙を広げて、頬杖をつきながら目の前の戒をぼんやりと見た。
作戦会議の前に一向に進まない宿題を手伝ってもらおうと寸法だ。
風呂からあがってパジャマ姿の戒は、さっきから違った意味でそわそわきょろきょろ。宿題する気ナッシング、だ。
「俺はじめて朔羅の部屋に入った♪可愛え部屋やね♪♪」
そうなんだよね~
いつもは戒かキョウスケのお部屋で作戦会議だけど、ここんところマサが目を光らせてるから。
聞き耳立てられてたらかなわん。
あたしの部屋だったら鍵がついてるし、誰かが突然乱入してくることもない。部屋の外で聞き耳を立てるような命知らずも居ないからな。
そう言う意味で安全な場所と言える。
キョウスケは出かけているから、今は戒と二人で宿題兼、会議。
つまり二人きりってわけで!
この状態が一番危険じゃね!?
「おい!会議だろ?キョロキョロしてねぇで、お前も真剣に考えろ」
あたしが戒を睨むと、戒はテーブルに頬杖をつきながらずいと体を乗り出してくる。
真正面からあたしを見てくると、
「こんな夜更けに俺は愛しい彼女の部屋♪これってすっげぇオイシイ☆シチュエーションじゃね??」
そう聞かれて、
戒のツヤツヤでセクシーな唇につい目が、く・ぎ・づ・け。
ん゛~~とすぐ間近に迫ってきている戒の顔に気付きあたしは、はっとなった。
「会議中だろ!?不謹慎だっ」
ぐぃーと戒を押し戻してるときだった。
コンコン…
部屋の扉をノックする音がして、
「お嬢、響輔です」と控えめな声が聞こえてきた。
「ちっ。またタイミング悪く現れやがって」
と戒は面白くなさそう…
だがあたしにとっては、天の助け!
とばかりにあたしはいそいそと立ち上がった。