。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「おかえりなさい。遅かったんですね」
ふいに背後で女の人の声が聞こえて、あたしはびっくりした。
だって女の声だぜ?
こいつ、独身だったよな。
恐る恐る振り返ると、きれいな女の人が穏やかな微笑みを浮かべて廊下に立っていた。
鈴音姐さんみたいに和服姿だったけど、こっちはあの華やかな鈴音姐さんみたいに派手(?)ではなく、しっとりと落ち着いた……って言うか可憐な感じだ。
淡いピンク色の着物に、白い蝶が飛び交っている。
歳の頃は―――三十半ばって感じか。上品な感じの女の人だ。
「ただいま。さっき電話で伝えた龍崎組のお嬢さんだよ。
お嬢さん、彼女は私の恋人で、彩芽(アヤメ)さんです」
へぇ…恋人かぁ。まぁお似合いっちゃお似合いだな。
って…
ちっがーーーーう!!!!
今、“恋人”って言った!?
嘘!!
こいつ、女居たのーーー!!?