。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
な、何故だ!何故違和感を覚えない、あたし!!
正真正銘の女である筈のあたしが逆立ちしても出来ない色っぽさ!
なんて鼻を押さえていると、
「な?イケるだろ?♪」
と戒が素早くキョウスケから離れた。
キョウスケは力なく床に倒れこみ、顔を青くさせている。
「え…演技だと分かっててもこの気持ち悪さ…ハンパない」
「無理するなよ…」
あたしは本気で青くなっているキョウスケを心配そうに見下ろすと、キョウスケはまたもぎゅっとあたしに抱きついてきた。
「てめ!性懲りもなく何どさくさに紛れて抱きついてんのや!」
「だって戒さんがあまりにも気持ち悪いから」
「キモい言うな!俺だって相当我慢してんや!」
無理…我慢……してるだろうな…
この“女大好き!”戒がここまでするたぁ…
こいつもこいつなりに真剣なんだな。
「お前はイチに犯さてまえばええ!」
「なんやと!戒さんこそ彩芽さんを前に鼻の下三万メートル!」
………真剣……
だよなぁ。
また喧嘩かよ。
「分かった!分かったよ!!お前らの真剣さは分かった!
だったら尚更あたしが一緒に行く!」
バンっ!
テーブルを叩いて二人に怒鳴ると、つかみ合いの喧嘩まで発展していた二人は揃ってきょとんと目をまばたいた。